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どうして更年期障害になるの？更年期障害のしくみを知ろう

卵巣機能の低下が引き起こす更年期障害は、自律神経の乱れや精神不安定へと繋がります。

■女性ホルモンによる身体の不調
更年期障害の原因と言われているのは、女性ホルモンの分泌量の低下です。
女性ホルモンと呼ばれるホルモンは、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の２つです。

エストロゲンとプロゲステロンがバランス良く分泌されていることで、健康な体を維持することが出来ると言われています。
女性の場合、１０代半ばで月経が起こり、４０代半ばから閉経へと向かっていきます。
この閉経のタイミングの前後５年というのは、身体の中に分泌される女性ホルモンの量が急激に低下をすると言われています。
また、エストロゲンとプロゲステロンがバランス良く分泌されないことも多く、このバランスの乱れがさまざまな身体の不調を引き起こすのです。

■女性ホルモンの分泌と脳の関係
閉経前になると、卵巣の機能が低下をします。それに伴って、女性ホルモンの分泌量も大きく減少をします。

指示を出しているにも関わらずそれが伝わらない、ということから脳の視床下部が異常を起こします。
脳の視床下部という部分は、ホルモンの分泌をコントロールするだけでなく、自律神経の機能をコントロールするところでもあります。ですので、女性ホルモンの分泌が指示を出しても行われなくなると、自律神経の乱れを引き起こしてしまうことに繋がるのです。

■自律神経の乱れが与える身体への影響
女性ホルモンの分泌が指示を出しても正常に行われなくなることによって、自律神経の乱れが起こります。
この自律神経というのも、「交感神経」と「副交感神経」の２つがあり、それぞれがバランスよく機能することによって身体を健康な状態に保ってくれます。

どちらかが活発になったり活動が弱まってしまうことで、身体にさまざまな異常を感じるようになります。

また、脳の視床下部は精神状態にも大きく影響をする部分で、自律神経が乱れた際には、イライラしやすくなったり、落ち込みが激しくなるなどの症状が見られることも多いと言われています。

更年期に起こるイライラや落ち込みで悩んでいませんか？

■感情をコントロール出来ないのは更年期が原因
５０代前後の年齢の方の多くが悩みを持つもの、それが更年期です。
更年期による影響というのは、身体だけではなく精神面にも大きな影響を及ぼすと言われています。

５０代前後の年齢の方で、以前よりもイライラするようになった、落ち込みが激しくなった、涙もろくなった、そんな方はいらっしゃいませんか？精神が不安定になり感情のコントロールが上手く出来なくなる、これも実は更年期によるホルモンバランスの乱れから起こるものなのです。
自分自身でコントロールをすることが出来ないので、家族にあたってしまったり、友人や職場仲間とコミュニケーションを取れなくなってしまう、ということになってしまうこともあるのです。

自分で自分の感情をコントロール出来ないことから、自己嫌悪に陥ってしまい、さらに精神状態が不安定になるということもあります。
更年期に見られるイライラや落ち込みのことを「更年期うつ」と言ったりもします。名前が付くほど、実は多くの方が悩んでおられる症状でもあるのです。

■原因を知って自分を責めない
急に自分の感情をコントロール出来なくなってしまうことで、自分を責めてしまう方が非常に多いです。しかし、自分のことをせめてしまうことで、さらに精神状態が不安定になり、更年期うつの症状を進めてしまうことになります。

ホルモンバランスが乱れているから仕方ないと思うことによって、気持ちも楽になりますし、少しは落ち着きを取り戻すことも出来るでしょう。

■更年期の症状を軽減させるには
更年期による精神状態の不安定というのは、誰しもに起こる可能性があります。
イライラしたり、気持ちが落ち込むようなことがあれば、気持ちを落ち着かせるために大きく深呼吸をしてみて下さい。身体をリラックスさせてあげることによって、少しは気持ちが安定をしてくれますので、イライラや気持ちの落ち込みを軽減させることが出来ます。

また、ストレスを溜めることで感情の起伏が激しくなってしまいますので、ストレスを溜めない工夫をすることも大切です。ストレスを感じたら、すぐに吐き出すようにしましょう。ストレスが蓄積して大きくなればなるほど、爆発をしたときの感情の起伏は激しくなります。

周囲に混乱を与えるだけでなく、自分自身も苦しむことになります。自分なりのストレス解消法を見つけて、ストレスを忘れる工夫をするようにして下さい。運動をするのも良いですし、美味しいものを食べるのもいいでしょう。

更年期の症状を軽くするには、早い段階での対策が重要になってきます。

■更年期であることを周囲に伝えることの大切さ

更年期による感情の起伏というのは、原因が分からないことも多いです。
周囲からすると、なぜイライラしているのか、なぜ落ち込んでいるのか、分からないのです。周囲からの理解を得ることが出来ないと、人間関係のトラブルに繋がってしまいます。
そうならないために、更年期のために感情のコントロールが上手く出来なくなっている、ということを周りに知らせるようにしましょう。

更年期によってイライラしている、落ち込みやすくなっている、ということが分かれば、周囲の人たちも対応をすることが出来ます。自分の今の状態を伝えて、理解をしてもらうことは、周囲にとっても自分自身にとっても非常に大切なことなのです。

理由もなく相手にあたってしまうこともあるでしょう。そんなときは、一言「ごめんなさい」や「ありがとう」の気持ちを伝えて下さい。周囲の理解によって、更年期を乗り越えることが出来るのです。

若いから大丈夫と思ってませんか？プレ更年期や若年生更年期障害について

一般的に、更年期障害といえば中高年の女性に発症する病気と思われています。事実、50代になると女性の生理が止まり、更年期障害の原因となるホルモンバランスの乱調が発生します。
けれども、最近では20〜30代という若い女性に更年期障害が発症する事例が数多く報告されています。これは「若年性更年期障害」と呼ばれる現代病の一種で、多くの医療機関によって注意が呼びかけられている厄介な存在です。

また、30代後半〜40代前半くらいに更年期の症状が現れるプレ更年期といわれる方も増えているそうです。プレ更年期のよる鬱や自律神経失調症など注意が必要です。

上述の通り、更年期障害の主な原因は加齢による閉経です。しかし、若年性更年期障害の女性を検査しても早発性の閉経が発症している事例はほとんど見られません。

若年性更年期障害やプレ更年期障害の最たる原因は、現代人特有の乱れた生活・ストレスにあると言われています。
女性の体は非常にデリケートであり、無理なダイエットを強行して食生活を乱すと必ず体調に悪影響を及ぼします。短期間に体重を落とそうとして食事を抜くダイエットなど愚の骨頂です。こんな生活を続けていたら、体重が落ちても栄養失調に陥ってしまいます。

このような数々の原因のためにホルモンバランスが著しく乱れ、若い女性にまで更年期障害が発症するようになってしまったのです。
現代社会に生きる以上、まったくストレスのない生活をおくることなど不可能でしょうが、適度にストレスを発散させて健康的な生活をおくるように努めることが大切です。「まだ若いから大丈夫」などと過信せずに、若い頃から自分の体を気遣いましょう。

更年期の下腹部痛について〜シクシク痛む症状の原因と対処法

更年期とは、女性なら誰もが避けては通れない閉経の前後10年間を指す時期。更年期障害という言葉もある通り、閉経による身体の変化は長く様々な苦痛を与えることも…。
火照りやめまい、ホットフラッシュなどが有名ですが実は、下腹部痛に頭を抱えている女性も多いのです。

悩む女性がとても多い…更年期に起こる「下腹部痛」とは？

更年期に起こる身体の不調の中でも、毎日の生活に支障が出るほどの重いものを「更年期障害」と切り分けていますが中でも、意外に悩む女性が多いのが下腹部痛です。

右下腹部、左下腹部のどちらか片方、または左右の下腹部が痛むこともあり「重い感じがする」程度から「シクシク痛む」「ズキズキする」といったものまで、人によりその症状は違います。

なぜ更年期で下腹部が痛くなるの？その原因とは？

更年期に起こる下腹部の痛みは、大きく分けて２つの原因が考えられます。

1.更年期による身体の変化〜女性ホルモンの影響、子宮機能の低下
初潮や生理、妊娠、出産後といった女性特有の身体の変化が生じる場面で、同じような下腹部の痛みを経験したことはありませんか？
女性ホルモンの分泌は子宮で行われるため、ホルモンバランスが乱れやすい時期は刺激となって痛みを引き起こすのです。
更年期も閉経に向けてホルモンの減少が始まるため、その乱れが下腹部痛に繋がってしまいます。

２.病気のサイン〜更年期とは、まったく別の可能性も
また、下腹部痛が更年期とは関係ない「病気のサイン」というのも見逃せません。
特に、左右どちらかの下腹部痛の場合、以下の様な可能性を秘めています。

【左下腹部痛】
急性虫垂炎、卵管炎、卵管・卵巣のう腫茎捻転、腎・尿管結石など

【右下腹部痛】
Ｓ状結腸軸捻転、左尿菅結石、急性結腸直腸炎、卵管炎、卵巣のう腫茎捻転など

（参照：広島県医師会）
http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/55/post-7.html

もちろん、すべての下腹部痛が100％病気のサインとも言えない反面、絶対ないとも言い切れないので、知識として覚えておくのが大切ですね。

更年期にシクシク痛む下腹部の対処法

更年期にシクシク痛む下腹部の対処法としては

• リラックスする

ホルモンと自律神経は、同じ視床下部でコントロールされているため、リラックスする行為はホルモン分泌の乱れを調整する作用があります。

• 血行を良くする

更年期障害のひとつでもある冷えや血行不良は、痛みの刺激を増幅させることがあるため、適度な運動などで血液の流れを良くするのが、痛みの緩和に繋がります。

• 下腹部を温める

こちらも血行促進に役立つ対処法です。

というのがおすすめです。
まったく痛みが改善できない、または悪化する場合は必ず病院にかかる選択肢も忘れずに。
万が一の病気だけでなく、更年期による下腹部痛でもホルモンコントロールなどの改善治療を受けることができます。