
こんにちは。タロットカードが示す人生の機微を、今回も共に探っていきましょう。
ソードの6が困難からの「移行」を示していたのに対し、今回ご紹介する「ソードの7 (Seven of Swords)」は、ややトリッキーで、「策略」「不誠実」「逃避」「出し抜くこと」といった、少し影のある側面を持つカードです。
「正面からぶつかるのは避けたい、なんとかうまく立ち回りたい…」
「この場を切り抜けるためには、多少の嘘やごまかしも仕方ない…」
「責任を取りたくない、この問題から逃げ出したい…」
人生において、私たちは時に困難な状況や対立を避けようとしたり、自分の利益のために抜け道を探したりすることがあるかもしれません。
しかし、その行動が本当に最善の策なのか、誰かを傷つけたり、後で自分自身を苦しめたりすることはないのか、慎重に考える必要があります。特に40代、50代になると、一時的なごまかしよりも、長期的な信頼や誠実さの価値をより深く理解するようになるものです。
ソードの7は、そんな「賢さ」と「ずる賢さ」の境界線について、私たちに問いを投げかけてきます。
この記事では、
- ソードの7が持つ基本的な意味と、カードに描かれた象GINに深い解説
- 恋愛、仕事、人間関係、人生における具体的なメッセージ(正位置・逆位置)
- ソードの7が出た時に、その状況をどう捉え、より誠実な道を選ぶためのヒント
などを、タロット初心者の方にも分かりやすく、これまでの記事と同様に、深く掘り下げて解説していきます。
もし今、あなたが何らかの策略を巡らせていたり、あるいは誰かの不誠実な行動に気づいていたりするなら、このソードの7のメッセージは、状況の本質を見抜き、より賢明な判断を下すための手助けとなるでしょう。
ソードの7とは? – 基本的な意味と象徴の解説
ソードの7のカードを見てみましょう。ウェイト・スミス版では、一人の人物が、5本の剣を抱えてこっそりと敵陣(またはキャンプ地)から離れようとしています。
残りの2本の剣は地面に突き刺さったままです。
彼の表情はどこか得意げで、しかし同時に周囲を警戒しているようにも見えます。背景にはテントが描かれ、彼の行動が秘密裏に行われていることを示唆しています。
このカードには、どのような象徴的な意味が込められているのでしょうか。
カードに描かれた象徴の深い意味
- 剣を盗む人物 (Figure stealing swords):
- 策略家・トリックスター: 知恵や機転を利かせて、困難な状況を切り抜けようとする人物。しかし、その方法は必ずしも正攻法ではない。
- 不誠実・裏切り: 他者を欺いたり、約束を破ったりする可能性。信頼を裏切る行為。
- 逃避・責任回避: 問題や責任から逃れようとする姿勢。困難に正面から向き合わない。
- 自己中心的: 自分の利益や安全を優先し、他者のことをあまり考えていない。
- 抱えられた5本の剣と残された2本の剣:
- 不完全な計画・中途半端: 全てをうまくやり遂げたわけではなく、何かを見落としていたり、やり残したことがある可能性。
- 一部の成功、一部の損失: 何かは手に入れたが、全てを手に入れたわけではない。あるいは、何かを得るために何かを犠牲にした。
- リスク・露見の可能性: 残された剣が、彼の行動がいつか明るみに出る危険性を示唆している。
- 忍び足・警戒する様子:
- 秘密の行動: 他人に知られないように、こっそりと行動している。
- 罪悪感・不安: 自分の行動が正しくないことをどこかで感じており、不安や後ろめたさを抱えている可能性。
- 慎重さ(ネガティブな意味で): 自分の利益のためには慎重に行動するが、他者への配慮は欠けている。
- 背景のテント(キャンプ地):
- 敵陣・集団: 彼が裏切ったり、出し抜こうとしたりしている相手や集団。
- 安心できる場所からの離脱(歪んだ形): 本来属していた場所やコミュニティから、不誠実な形で離れようとしている。
- 数字の「7」: 数字の7は「知恵」「分析」「内省」「探求」「孤独」「試練」「策略」などを意味します。ソードの7では、特に「知恵の誤用」「策略」「孤独な戦い(ただし正々堂々ではない)」「試される誠実さ」といった意味合いが強くなります。6の安定した移行から一転、個人の機転や策略が試される状況です。
- 四大元素「風」: ソードのスートが示す「風」の要素(知性、思考、論理)は、このカードでは「策略的な思考」「頭脳戦」「ごまかしの言葉」「計画性(ただし自己中心的)」といった形で現れます。知性が自己の利益のために、時に不誠実な方向に使われている状態です。
これらの象徴から、ソードの7は「知恵や策略を用いて困難を回避しようとしたり、自分の利益を得ようとするが、その方法が不誠実であったり、何かを見落としていたりする状況」を示すカードと言えます。
それは、一時的には成功したように見えても、長期的には信頼を失ったり、孤立したりする危険性をはらんでいます。
キーワードで理解するソードの7
キーワードで整理すると、その意味がより明確になります。
- 【正位置】キーワード:
- 策略、計略、駆け引き
- 不誠実、嘘、ごまかし、裏切り
- 逃避、責任回避
- 盗み、不正行為(比喩的にも)
- 出し抜く、抜け駆け
- 秘密の行動、隠し事
- 中途半端、不完全な計画
- 孤独な戦い、孤立
- 【逆位置】キーワード:
- 計画の露見、失敗
- 誠実さへの回帰、良心の呵責
- アドバイスを求める、助けを借りる
- 謝罪、告白
- 優柔不断、行動できない
- 過去の不誠実な行動の再考
- 罠にはまる、騙される(状況による)
正位置は不誠実な策略や逃避の真っ只中を示し、逆位置はその計画がうまくいかない、あるいは良心に目覚める、または他者の策略に気づくといった変化を示唆します。
【状況別】ソードの7のメッセージ
では、恋愛、仕事、人間関係、人生の場面でソードの7が出た場合、どのようなメッセージを読み解けるでしょうか? 40代・50代の視点も交えながら見ていきましょう。
恋愛におけるソードの7
恋愛においてソードの7が出た場合、不誠実な態度や隠し事、あるいは関係からの逃避を示唆することがあります。
- 正位置のメッセージ:
- 浮気・二股: パートナーに隠れて他の人と関係を持つ。不誠実な行動。
- 嘘やごまかし: 都合の悪いことを隠したり、嘘をついたりして、その場をやり過ごそうとする。
- 本気でない関係・遊びの恋: 相手に対して真剣ではなく、一時的な関係や遊びのつもりで付き合っている。
- コミットメントからの逃避: 結婚や真剣な交際など、責任を伴う関係から逃げようとする。
- 秘密の恋: 周囲に知られてはいけない、隠れて続けなければならない恋愛関係。
- 逆位置のメッセージ:
- 嘘や隠し事の発覚: 不誠実な行動や隠し事が相手にバレてしまう。
- 罪悪感・謝罪: 自分の不誠実な行動に対して罪悪感を感じ、相手に謝罪しようとする。
- 関係の見直し・誠実な対話: これまでの不誠実な態度を改め、相手と誠実に向き合おうとする。
- 相手の不誠実さへの気づき: パートナーの嘘や裏切りに気づく。
- 逃げられない状況: 関係から逃げようとしても、何らかの事情でそれが許されない。
仕事におけるソードの7
職場での不正行為や責任逃れ、あるいは巧妙な立ち回りを意味することがあります。
- 正位置のメッセージ:
- 不正行為・横領(比喩的にも): 会社の備品を私的利用したり、経費を不正に請求したりする。あるいは、他人の手柄を横取りする。
- 責任逃れ・言い訳: 自分のミスや責任を認めず、他人のせいにしたり、言い訳をしてごまかそうとする。
- サボタージュ・手抜き: 仕事を怠けたり、手を抜いたりして、やるべきことをきちんとやらない。
- 情報漏洩・スパイ行為: 会社の機密情報や同僚のプライベートな情報を外部に漏らす。
- 巧妙な立ち回り・社内政治: 正攻法ではなく、裏工作や根回しによって自分の立場を有利にしようとする。
- 逆位置のメッセージ:
- 不正の発覚・計画の失敗: 不正行為や隠蔽工作が明るみに出て、計画が失敗に終わる。
- 良心の呵責・反省: 自分の行動を反省し、正しい道に戻ろうとする。
- 助言を求める: 困難な状況を一人で解決しようとせず、上司や同僚に助けやアドバイスを求める。
- 責任を取る覚悟: これまで逃げていた責任と向き合い、きちんと対処しようとする。
- 他者の策略に気づく: 誰かが不正を働いていたり、自分を陥れようとしていることに気づく。
人間関係におけるソードの7
友人関係や家族関係において、不誠実な態度や裏切り、あるいは衝突を避けるための逃避を示唆します。
- 正位置のメッセージ:
- 陰口・噂話: 本人のいないところで悪口を言ったり、根も葉もない噂を広めたりする。
- 約束の反故・裏切り: 大切な約束を破ったり、信頼を裏切るような行動を取る。
- 表面的な付き合い・本音を隠す: 本当の気持ちを隠し、当たり障りのない表面的な付き合いに終始する。
- グループからの孤立を恐れての同調(不本意な): 自分の意見を言えず、不本意ながらも多数派に同調してしまう。
- 対立からの逃避: 問題や対立が起きそうになると、話し合いを避け、その場から逃げ出そうとする。
- 逆位置のメッセージ:
- 不誠実な態度の露呈: 隠していた本音や不誠実な行動が周りに知られてしまう。
- 関係修復の試み・謝罪: 自分の過ちを認め、傷つけた相手に謝罪し、関係を修復しようと努力する。
- 正直なコミュニケーション: これまで避けていた本音での話し合いを試みる。
- 他人の嘘や裏切りに気づく: 信頼していた人に裏切られていたことに気づく。
- 孤立からの脱却の試み: 一人で問題を抱え込まず、信頼できる人に相談する。
人生・自己成長におけるソードの7
困難な現実から目を背けたり、安易な道を選ぼうとしたりする傾向を示します。
- 正位置のメッセージ:
- 現実逃避・問題の先送り: 向き合うべき課題や困難な現実から目を背け、問題を先送りにしてしまう。
- 自己欺瞞: 自分自身に嘘をつき、本当の気持ちや問題を認めようとしない。
- 楽な道への誘惑: 努力や困難を避け、安易な方法や近道を選ぼうとする。
- 目標達成のための不正な手段: 目標を達成するためなら、多少の不正やごまかしも厭わないという考え。
- 孤独感・不信感: 他人を心から信頼できず、常に何かを警戒しているため、孤独感を深める。
- 逆位置のメッセージ:
- 現実直視の必要性: これまで逃げていた問題や自分自身の弱さと向き合う必要性に気づく。
- 誠実さへの回帰: 不誠実な方法やごまかしではなく、正直で誠実な生き方を選ぼうとする。
- 助けを求める勇気: 一人で解決できない問題に対して、他者に助けを求める勇気を持つ。
- 過去の行動への反省: 過去の不誠実な行動や逃避的な態度を反省し、そこから学ぼうとする。
- 計画の見直し・再挑戦: これまでのやり方がうまくいかなかったことを認め、計画を見直し、誠実な方法で再挑戦しようとする。
ソードの7が出たあなたへ – より良く活かすためのアドバイス
ソードの7が出た時、それはあなた自身、あるいはあなたの周りで、何らかの不誠実な行動や逃避が起きている可能性を示唆しています。このカードのメッセージを警告として受け止め、より賢明で誠実な道を選ぶためのヒントを考えてみましょう。
- 正位置が出た場合:
- その行動は本当に最善か?: 一時的に問題を回避できても、長期的に見て本当に自分のためになるのか、誰かを傷つけていないかを考えましょう。
- 誠実であることの価値を思い出す: 信頼は一瞬で失われますが、取り戻すのは困難です。誠実であることの重要性を再認識しましょう。
- 正面から向き合う勇気を持つ: 困難な状況や責任から逃げずに、勇気を持って正面から向き合うことが、結果的に最良の解決策に繋がることもあります。
- 全てを手に入れようとしない: 時には何かを諦めたり、譲ったりすることも必要です。完璧を求めすぎると、不誠実な手段に頼りやすくなります。
- 孤立していないか確認する: 自分の殻に閉じこもらず、信頼できる人に相談し、客観的な意見を聞くことも大切です。
- 逆位置が出た場合:
- 過ちを認める勇気: もし不誠実な行動を取ってしまったなら、それを認め、謝罪する勇気を持ちましょう。それが再出発の第一歩です。
- 助けを求めることをためらわない: 一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、助けを求めたりしましょう。
- 計画を練り直す: これまでのやり方がうまくいかなかったのなら、正直で実現可能な計画に練り直しましょう。
- 他者の策略に注意する: 周囲の人の言動に注意し、誰かが不誠実な行動を取っていないか、冷静に見極める必要があります。
- 自分自身に正直になる: 本当は何を望んでいるのか、何が正しいと思っているのか、自分の心に正直になりましょう。
【まとめ】ソードの7と共に誠実さという名の剣を磨く
ソードの7は、私たちに「知恵の正しい使い方」と「誠実さの重要性」を教えてくれるカードです。策略や一時的なごまかしは、短期的には成功をもたらすかもしれませんが、長期的には信頼を損ない、孤立を招く可能性があります。
このカードが示すのは、困難な状況において、つい安易な道や抜け道を探したくなる人間の弱さかもしれません。しかし、同時に、そのような誘惑に打ち勝ち、誠実で勇気ある選択をすることの価値をも示唆しています。
もしソードの7のような状況に直面したら、一度立ち止まり、自分の心に問いかけてみてください。本当に大切なものは何か、そして、どのような行動が将来の自分にとって誇れるものとなるのかを。その答えの中にこそ、真の賢さと強さが見つかるはずです。